ブラジルでは一人で道路を歩けない理由

ブラジルは世界的に見ても治安が悪い国の一つとして知られています。観光地としての魅力も多い一方で、強盗やスリ、暴力犯罪が頻繁に発生し、市民が自由に歩き回ることすら困難な場所が少なくありません。特に、一人で道路を歩くことは大きなリスクを伴い、高齢者や障がい者だけでなく、若く健康な人でさえ慎重に行動しなければならないのが現実です。本稿では、ブラジルで一人で道路を歩くことが難しい理由について詳しく解説します。

1. 高い犯罪率と治安の悪化

(1) 強盗やスリの多発

ブラジルの都市部では、強盗やスリが日常的に発生しています。特にリオデジャネイロやサンパウロのような大都市では、昼夜を問わず犯罪が起こるため、一人で出歩くことは極めて危険です。犯人は単独行動をしている人を狙うことが多く、スマートフォンやバッグを持ち歩いていると、ターゲットになりやすくなります。その為私も外出する時は必ずと言って良いほど母の家族と一緒に行動していました。バッグもファスナー付きのショルダーバッグに斜めがけで持ってスマホは出さないように気をつけていました。

また、バスや地下鉄の駅周辺では、スリの被害が多発しています。人混みの中で巧妙に財布や貴重品を盗まれるケースが後を絶ちません。これにより、外出する際には最低限の持ち物にするなど、常に警戒しながら行動する必要があります。

(2) 凶悪犯罪の発生

ブラジルでは、窃盗や強盗だけでなく、暴力を伴う犯罪も多く発生しています。特に麻薬組織の活動が活発な地域では、銃犯罪が頻繁に起こり、一般市民が巻き込まれるケースも少なくありません。警察とギャングの間で銃撃戦が発生することもあり、特にスラム街(ファヴェーラ)周辺では安全が確保されていません。

こうした状況では、一人で歩いていると犯罪に巻き込まれる可能性が高く、特に夜間は危険度が増します。そのため、多くの人ができるだけ徒歩での移動を避け、タクシーやライドシェアサービスを利用することが一般的になっています。

3. 外出が困難な社会環境

(1) 公共交通機関の利用が難しい

ブラジルの公共交通機関は、バリアフリー化が進んでおらず、高齢者や障がい者にとって利用しにくい状況です。例えば、バスには車椅子用のスペースがあるものの、実際には故障していたり、運転手が対応してくれなかったりすることが多く、単独での移動が難しくなっています。

また、地下鉄の駅ではエレベーターやエスカレーターが設置されていない場所も多く、階段を使わなければならないことが多いため、足腰の弱い人にとっては大きな障害となっています。このような状況では、一人で移動することが困難であり、外出そのものを諦める人も少なくありません。

(2) 介護や支援の不足

ブラジルでは、介護サービスが十分に提供されておらず、家族に頼らざるを得ないのが現状です。そのため、高齢者や障がい者が単独で外出する機会は非常に限られており、一人で道路を歩くことはほぼ不可能に近い状況です。

4. まとめ――ブラジルでは一人で歩くことが極めて困難な理由

ブラジルでは、高い犯罪率と治安の悪化により、一人で道路を歩くことが非常に危険な状況になっています。特に強盗やスリの被害が多発しており、単独行動をしている人は狙われやすくなっています。さらに、バリアフリー環境の未整備が深刻な問題となっており、歩道の段差や信号機の不足が歩行者にとって大きな障害となっています。

また、公共交通機関の利用が困難であり、介護や支援の不足も相まって、高齢者や障がい者にとっては単独での移動がほぼ不可能な状態です。このような状況を改善するためには、治安対策の強化とインフラの整備が不可欠であり、より安全で快適に暮らせる社会の実現が求められています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました